脳の老化を防止するサプリメント

脳はつねに栄養分を必要としている

最近50歳を過ぎ、新しい仕事をはじめた友人が、同僚の名前がなかなか覚えられないと愚痴をこぼしています。それ以外にも彼は、以前ほど頭が働かなくなったと感じており「どんなサプリメントを飲んだらよいか」と知りたがっていました。

 

よくあることですが、歳をとると精神機能に変化が見られます。このような変化は深刻に考えるほどではありません。一時的に物を思い出せないのはよくあることです。

 

新しく知り合った人や電話番号を思い出せないのは非常に厄介ではありますが、それほど重大ではありません。

 

アルツハイマー病などの重大な脳疾患にならないかぎり、たいていの人は脳機能を一生正常に保つことができます。

 

脳の機能を維持するためにサプリメントを摂っていただきたいのですが、それだけでは不十分です。健康に留意し、活動的にすごしていれば、肉体も精神も順調に機能します。

 

実際には、からだの不調が精神的な問題につながることが多いのです。たとえばアテローム性動脈硬化症になると脳への血流が滞り、精神的な能力が著しく低下します。高血圧にも同様の症状が現れることがあります。

 

脳はつねに栄養分を必要としている

食生活が脳機能に影響を与えるということを誇張しているのではありませんが、脳はさまざまな働きをするので、つねに栄養分を必要としています。年齢に関係なく、偏食や栄養の足りない食事をしていると、脳細胞がエネルギーを得られず、うまく機能してくれません。

 

いつも朝食を摂らないで登校する生徒は成績が思わしくないことが多いのですが、これは空腹のため、集中力が低下しているからです。時々、ある特定の栄養分に「飢えて」いるのに気づかないことがあります。

 

たとえば、60歳以上の人の多くは、ビタミンB12が不足しています。ビタミンB12が欠乏すると、ある種の平衡感覚の低下・喪失といった神経的な症状や、感情の変化、方向感覚の鈍化、記憶の喪失が見られます。

 

オランダで行われた研究によると、健康だけれどもビタミン12量の少ない人は、ビタミンB12が多い人よりも精神テストの結果が思わしくありませんでした。栄養不足によって精神機能に影響が出るのは高齢者だけでなく、若い人も同様です。

 

たとえば、鉄分が不足している大学生は、成績が思わしくありません。ペンシルバニア州立大学の学生で、鉄分が不足している学生が三カ月間、鉄サプリメントを摂ったところ、成績が著しく上がりました。

 

体力の低下も脳の機能低下と関係があります。体調が崩れると脳内で電気変化や化学変化が起き、ドーパミンとノルアドレナリンという二つの神経伝達物質(機敏であるためには不可欠)が減少します。運動をすると、脳に送られる酸素が増加するため、ドーパミンとノルアドレナリンは増加します。また、運動をすることで心臓のポンプカが強化され、血行を促します。

 

運動は酸素量を増加させるだけでなく、精神を高揚させます。運動をすることで、脳内で麻薬に似た働きをする神経物質、ベータ・エンドルフィンの生成が促されます。運動をしている人はさ頭が冴え、動作も機敏で、非常に幸福感を感じます。

 

また、運動は脳機能を低下させるストレスを解消してくれます。長期的にストレスを感じると、つかさど脳の老化が促され、学習と記憶を司る部分へのダメージが加速するのです。

 

モントリオールにあるマクギル大学で55歳から87歳までの健康な130人の、ストレスホルモンの血中濃度を5年間にわたって調査しました。その結果、ストレスホルモン値が高い人はわずかながら記憶力と注意力に問題のあることがわかりました。

 

高いストレスホルモン値が、アルツハイマー病を引き起こす要素であると考えられています。びんしょう精神的な敏捷さを維持するために、健康的なライフスタイルを実践する必要があります。

 

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